コーヒーブレイク
山歩き・街道歩き―30 登山口
勝田 祐年
1
1県立尼崎病院研究検査部
pp.843
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101527
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「車の運転免許証を持っていない」というと,「エッ!」と,驚かれてしまう.驚かれついでに,パスポートもなし,携帯電話も持っていないことも告白する.「今時,珍しいですね,博物館物ですよ」.
そんな“博物館展示物”が登山をするには登山口までの足は電車,バス,タクシー,徒歩ということになる.貧乏登山なのでタクシーは利用したことがない.バス便がない場合は登山口まで10kmぐらい歩くのはざらである.ようやく辿り着いた登山口周辺の山林が土地開発され,1戸建てや高層の家屋が建ち並び,自然が都会に侵食されている光景に出くわす.登山口がどこにあるかわからない.団地の外延に沿って歩き回り,登山口を探す羽目になる.個人の敷地内に入り込んでしまったり,犬に吠えられることも度々ある.犬に吠えられたとき,猫の鳴き真似をする.さらに激しく吠える犬と,キョトンとした顔で押し黙る犬とがある.飼い主もキョトンとしているにちがいない.
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