コーヒーブレイク
山歩き・街道歩き―29 ゾロ目の山(その1)
勝田 祐年
1
1県立尼崎病院研究検査部
pp.673
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101477
- 有料閲覧
- 文献概要
2000年の登山目標は標高値がゾロ目の山だった.33m~1,111mの山である.日本には11m,22m,3,333mの山は存在しない.栃木県に2,222mの燕巣山があるが登山道がないので登れない.近畿近隣で登ったゾロ目の山を一覧にしたが,このほかにも3倍の数はある.折をみて全山を踏破してみたい.テレビやガイドブックで紹介される高い山だけが山ではないのだ.
近畿近隣の33mの山は石川県河北郡宇ノ気町・七尾線宇野気駅の近くにある鳶山だ.この山に3月末,青春18きっぷを利用し,家族の冷笑にもめげず,大阪から日帰りで登りに出かけた.七尾線宇野気駅に午後12時13分に到着した.ここから南東へ約1.8kmの地点の鳶山に登り,午後1時54分発の電車で帰路につき,大阪駅に午後8時20分に到着するスケジュールだ.鳶山にいたる道程のうち駅前から約1kmは“哲学の道”として整備されている.この町が輩出した世界的哲学者・西山幾太郎先生にちなんで整備されたものである.この道の両側に哲学にちなんだオブジェがそこかしこに建てられている.駅前通りとはいえ,人家がまばらなので静かではあるが,自動車道路に沿った歩道に作られているので哲学を感じさせる雰囲気ではない.京都東山の麓・南禅寺から銀閣寺に向けての小川に沿った小径(こみち)も哲学の道と呼ばれているが,この道も西田先生が京都大学の教授であったころ,好んで散策されたことにちなんで名付けられたという.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.