検査データを考える
Bicytopenia
通山 薫
1
1川崎医科大学検査診断学
pp.813-817
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101516
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
赤血球・白血球・血小板3血球系のうちいずれか2つの血球系が減少している状態をbicytopenia,3血球系とも減少している状態を汎血球減少(pancytopenia)という.血球減少の基準としては,成人男子では赤血球数400万個/μl未満またはヘモグロビン濃度13.0g/dl未満,成人女子では赤血球数350万個/μl未満またはヘモグロビン濃度12.0g/dl未満,男女ともに白血球数4,000個/μl未満,血小板数10万個/μl未満が一般的である.貧血の基準は必ずしも統一的ではないが,酸素運搬能に鑑みて赤血球数よりもヘモグロビン濃度のほうが重視されるべきである.
このように複数血球系が減少している場合は,しばしば造血機能自体に重大な問題が生じている可能性がある.あるいは重篤な全身性病変の現れかもしれない.以下に検査上のポイントと日常診療の場で遭遇する疾患について概説する.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.