けんさアラカルト
糖尿病のチーム医療に参加する検査技師
小谷 和彦
1
,
坂根 直樹
2
,
下村 登規夫
1
,
猪川 嗣朗
1
1鳥取大学医学部臨床検査医学
2神戸大学大学院医学系研究科分子疫学
pp.360-361
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101387
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検査技師の役割
糖尿病診療では患者教育や生活指導の治療効果は大きく,旧くから多職種がそれに携わるチーム医療体制が採られてきた.昨今の諸背景1,2) から,糖尿病教育への検査技師の参加は徐々に増え,これは検査技師の新たな職域の方向性とみなされつつある.現時点で考え得る検査技師の守備範囲と役割の例を表に示した.
特に自己測定機器の使用法・管理法・手技の説明は,今まではあまりしてこなかったが,機器の開発・改良の評価を検査部門が担当してきた経緯から,検査技師の業務に含めていこうという意見3) が近年多い.また,低血糖や極端な高血糖の値を得た場合の対処法といった療養面についての概説も範疇とされはじめている.こうした治療的対応に関しては糖尿病診療チームで回答を統一して用意しておくことが望まれる.患者のみならず診療チーム内の他職種に検査の最新情報を説示したり,質問や依頼に応答したりしていくことも,コミュニケーションと検査の専門性・役割分担の確立には欠かせない.
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