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平成28年「国民健康・栄養調査」では,日本の糖尿病有病者は1,000万人に上ったとされ1),増え続ける糖尿病患者の治療を誰がどう担っていくのかという点については課題も多い。糖尿病は,生涯を通じて適切な治療および,糖尿病自己管理教育と療養支援が必要な疾患である。糖尿病専門医のいる総合病院での継続的な診療は理想的ではあるが,増え続ける糖尿病患者すべての診療を専門医が担うことは困難であり,さらに糖尿病だけでなく複数の疾患に罹患している患者も少なくない。したがって,主治医であるかかりつけ医と糖尿病専門医が連携を図りながら,患者の生活している地域に密着して治療を継続していくことが重要である。この地域連携を円滑に行うために重要な役割を果たしているのが,糖尿病療養指導士(Certified Diabetes Educator:CDE)である。CDEは,糖尿病とその療養指導に関する幅広い専門知識をもち,患者の生活や社会背景を理解し,患者が適切に自己管理できるように支援する役割をもつ2)。CDEには,日本糖尿病学会,日本糖尿病教育・看護学会,日本病態栄養学会が母体となって設立した日本糖尿病療養指導士(CDEJ)と,各地域で設立・運営されている機構が認定する地域糖尿病療養指導士(CDEL)がある。かかりつけ医と糖尿病専門医,CDEが協働して医療チームを作ることは,効率的な糖尿病診療の実現のために大変有用であり,なおかつ医療チームによる介入は,糖尿病患者の血糖コントロール,心血管イベントリスク低下に有益であることがランダム化比較試験(RCT)3),コホート研究4)において報告されており,有効な糖尿病診療を行う上でも重要な役割を果たすと考える。「KEY WORDS」糖尿病,多職種,チーム医療,CDE,療養指導,地域連携
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