復習のページ
調製直後のグルコース水溶液で,理論値よりかなりの低値が出現―糖の構造と異性体―α・β異性体―が物語る
勝田 祐年
1
1兵庫県立尼崎病院研究検査部
pp.356-357
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101385
- 有料閲覧
- 文献概要
[面白い実験データとの遭遇]
ルーチン検査でグルコースをヘキソキナーゼ(hexokinase;HK)法(多項目生化学自動分析装置)と酵素電極法(グルコース専用測定装置)との二方法で測定していた.これらのうち,GOD(glucoseoxidase,グルコースオキシダーゼ)酵素電極法を原理とする測定装置が機器更新された.更新に伴う基礎的検討時,とんでもない事態に遭遇した.
検量線の直線性の検定時,グルコースの粉末を量,精製水に溶解し,1,000mg/dl溶液を調製した.この原液を10段階希釈し,測定したところ,表に示すように,原液で450mg/dl程度の値しか得られなかったのだ.検証のためヘキソキナーゼ法で同時測定した値はほぼ理論値が得られたのに,だ.そして,調整したグルコース溶液の時間経過とともにGOD電極法の値は理論値と一致するようになったのだ.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.