オピニオン
臨床検査技師の職域の拡大
朝山 均
1
1市立岸和田市民病院医療技術局中央検査部
pp.96
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101320
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はじめに
2002年4月,「平成大不況」といわれるがごとく,史上初の診療報酬マイナス改定が実施され,医療界はまさに,未曾有の変革期を迎えている.臨床検査を取り巻く環境もまたしかりである.
20世紀後半の50年足らずで医療・医学が,科学および技術の急激な進歩により大きく変貌をとげた.臨床検査においても自動分析機器などの普及により多検体,多項目の処理を可能にし,診断・治療に貢献してきたことは論を待たないであろう.しかし,このことが国民皆保険制度,検査出来高払いに伴う医療機関へのアクセスフリー(利便性)を招き医療費増大の一因になったことも事実である.これらを踏まえて政府行政機関は,「聖域なき構造改革」,「規制緩和」のもと「医療費抑制」という大義名分を掲げ,医療機関の存在価値をも含めた在りかたを問うてきた.このような中で検査部そして臨床検査技師も「勝ち残るための策」が必要である.
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