けんさアラカルト
チーム医療と臨床検査技師
朝山 均
1
1市立岸和田市民病院医療技術局中央検査部
pp.681
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100069
- 有料閲覧
- 文献概要
わが国の医療は,国民皆保険制度という所得に関係なく全国民があまねく比較的高水準の医療を受けることができ,また各医療機関へのアクセスフリー(利便性が高い)が可能な一律平等の制度を維持しつつ今日を迎えている.このことは一方で医療費高騰を招き,医療経済が逼迫状況になったのも事実である.この間,医療改革も第1次~第4次へと移り変わり医療費抑制のための政策が打ち出され,とりわけ臨床検査界は極めて厳しい状況下にある.
臨床検査は,1980年代初期を境に前後10数年で科学,技術の急激な進歩により用手法から自動化へと大きく変貌した.これを受けて検査部,臨床検査技師は多検体,多項目の処理という日常検査に埋没されるに至ったのである.この背景には検査を実施すれば収益が上がるという検査出来高払い制度があったが,かたや診断・治療への臨床検査としての貢献度も大なることは確実であった.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.