ザ・トレーニング
骨性ALPアイソザイムの解釈
杉田 収
1
1新潟大学医学部附属病院検査部
pp.249-252
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900073
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アルカリ性ホスファターゼ(ALP,EC 3.1.3.1)はオルトリン酸モノエステルを加水分解し,pH9〜11に至適pHを持つ酵素である.臓器分布は腎・小腸・胎盤・骨に多く,次いで肝・脳・乳腺・肺・脾に存在するが,血清中のALPは主に骨・肝由来のものである.ほかに妊娠後期には胎盤由来のALPが出現し,また血液型のB型とO型の人で,食後の血清中に小腸由来と考えられるALPが認められる場合がある.
ALPは2個のサブユニットから成る二量体で,その1個のサブユニットには2分子のZn2+を含む.ヒト肝性ALPと骨性ALPの分子量は160,000,小腸性ALPは140,000,胎盤性ALPは120,000〜130,000といわれている.さらに,閉塞性黄疸や転移性肝癌で出現する肝由来高分子ALPは5,000,000以上の分子量と考えられている.
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