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持続携帯式腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis,CAPD)排液中の細胞数の算定と分類とはCAPD適応患者に特有な腹膜炎などの合併症の早期診断および治療効果の指標として重要な検査である.当院では,フックスローゼンタール計算板(Fuchs-Rosenthal hemocytometer)を用いて脳脊髄液(cerebrospinal fluid,CSF)と同様に目視法にて検査を実施している.しかし,目視法は手技が煩雑であるうえ,検体は長時間腹腔内に貯留されていた透析後の排液であるため,提出までの保存状態およびその時間,細菌の存在など種々の要因で細胞の判定に悩む場合があるため技師間差が生じてくるのは否めない.そこで,技師間差の解消,測定の省力化・迅速化を図ることを目的に,自動血球計数装置ADVIA2120(バイエルメディカル社)でのCAPD排液中の細胞数算定および分類の可能性を検討した.
従来,CAPD排液中の細胞数算定と分類はCSFと同様に自動血球計数装置では測定が困難であったが,ADVIA120に装備されたCSFモードによるCSF中の細胞数算定については既に良好な結果が報告されている1).本装置のCSFモードはフローサイトメトリーを測定原理とし血球に2方向からレーザー光を照射してその散乱光の低・高角度シグナルを二次元座標にマッピングし算定・分類を行っている.この散乱光の強弱,方向は細胞固有の大きさと顆粒や核構造により異なるため,細胞を分類・鑑定することができる.このモードは全血球計数(complete blood count,CBC)モードと異なり,前処理としてCSF試薬と検体とを等量混合した後4分間室温に放置して細胞の固定と球状化を行う操作が必要であるが,その後はただちに測定が可能であるため迅速な測定の妨げにはならない.
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