技術解説
自動血球計数器(島津)による赤血球数算定の経験
原島 三郎
1
,
相賀 静子
1
1国立東京第一病院研究検査科
pp.167-170
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905938
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病院の近代化と中央検査室制度の確立は表裏をなしており,今後ますます中央検査室制度は発展する傾向を示している。中央検査室の機能が充分に認識され利用される場合には,個々の医師が検査に当たっていた従来の小規模なやり方の場合に比し,はなはだ多数の検体の処理が必要となってくる。このため検査目的に対して充分な精度を有して,しかもなるべく簡便で短時間に検査できる方法とか,人手を要しないで多数の検体の処理が可能な自動検査器械の採用が必要となっている。
血液検査部門でも血球数算定について以上の条件をみたす器械の出現が要望されており,すでに昭和31年に天木,原島1)は光電血球算定器について検討したことがあるが,低色素性貧血例では誤差が大であったため実用化するに至らなかった。ところが最近になってElectronicsのめざましい発達に応じて,数種の自動血球計数器が製作販売されており,その検討会2)も開かれている。著者らは島津製作所製のPES-D型を使用して赤血球数の算定を行なってみたので,その経験について述べることにする。
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