失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
包埋操作・ブロック作製に起因するアーティファクト パラフィン槽での含気および中間剤気化による組織破壊
末吉 徳芳
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1順天堂大学大学院医学研究科研究基盤センター細胞病理イメージング研究部門
pp.744-746
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100703
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図1は肺胞壁が破壊融合して肺気腫様であるが,拡大した気腔の壁は肥厚しておらず組織反応もない.
考えられる原因
(1)肺胞内の空気を脱気せずにそのまま脱水,パラフィン浸透,包埋するとパラフィン槽でパラフィンを溶融するための62~63°Cの温度で加温されてしまう結果となる.すると肺胞内の空気は膨張融合し,肺胞壁を圧排,断裂させてしまう.
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