失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
染色法各論 鍍銀染色
吉村 忍
1
1防衛医科大学校病院検査部病理
pp.666-668
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100681
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標本は好銀線維染色として用いられている渡辺の鍍銀染色標本である.図1は組織が割れた状態で間隙が平行に多数見られる.図2は膠原線維と細網線維との色分けができていない標本である.いずれもアーティファクトの見られる不良標本である.
考えられる原因
1 . 薄切不良
ブロックを冷やして薄切する処理はパラフィンの硬度を増加させ薄切効率を上げるために行われる.3μm程度の切片厚では問題はないが,支持組織を観察するような6~8μmの厚い切片が必要となる場合にはブロックを冷やした状態のまま薄切を行うと硬度が増した分もろくなり,ミクロトーム刃と平行に亀裂が生じ,伸展・貼り付けすると間隙となって観察される(図1).
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