検査データを考える
抗核抗体陽性例のデータの読みかた
高崎 芳成
1
1順天堂大学医学部膠原病内科
pp.445-450
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100645
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はじめに
抗核抗体(antinuclear antibody,ANA)は,有核細胞の核成分に対する自己抗体の総称で,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus,SLE)をはじめとする膠原病類縁疾患を有する患者で高率に検出される1,2).その対応抗原は,DNA(デオキシリボ核酸,deoxyribonucleic acid),RNA(リボ核酸,ribonucleic acid)などの核酸とヒストンおよび非ヒストン酸性核蛋白などの蛋白質に分類される.これらに対する抗体の中には特定の疾患や病像と相関するものも多く,日常診療の場で診断・治療の指標として重要な位置を占めている1,2).本稿ではこのANAのルーチン検査として最も広く用いられている蛍光抗体間接法(indirect fluorescence test,以下,IF)によるANAの検出と,その結果の考えかたについて解説する.
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