技術講座 病理
脳腫瘍の術中迅速診断―細胞診の応用
平戸 純子
1
,
中里 洋一
1
1群馬大学大学院医学系研究科病態病理学
pp.319-323
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100511
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新しい知見
脳腫瘍の術中迅速診断は,ヘマトキシリン-エオジン染色(hematoxylin-eosin stain,以下,HE染色)を施した凍結切片で行われているが,細胞像の保持に難点がある.細胞診はこのような凍結切片の欠点を補う手段として術中迅速診断に有用である.組織診,細胞診両者の所見を対比しながら,全体像を把握するという観点から,従来のパパニコロウ染色(Papanicolaou stain),ギムザ染色(Giemsa stain)にとらわれず,積極的にHE染色細胞診を応用するべきと考えられる.特に細胞質の性格や線維性基質の質感を把握しやすく,凍結組織標本では困難な腫瘍型の診断に有用である.
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