病気のはなし
非アルコール性脂肪肝炎
西原 利治
1
,
小野 正文
1
,
岩崎 信二
1
1高知大学医学部消化器病態学
pp.314-318
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100510
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
新しい知見
近年,高度の脂肪肝に肝実質の壊死・炎症,線維化所見が加わった脂肪肝炎(steatohepatitis)の増加が先進国のみならず,開発途上国でも注目されている.アルコール性肝炎は脂肪肝炎の典型像であり,わが国におけるアルコール性肝炎増加の背景には女性を中心としたアルコール消費量の増加が関与していると考えられている.欧米諸国でも同様にアルコール性肝障害は極めて重要な社会問題である.しかし,最近,アルコールの消費量が減少に転じているにもかかわらず,脂肪肝炎患者数は増加の一途である.これは非飲酒者における脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis,NASH)が顕著に増加しているからである.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.