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2型糖尿病におけるSNP解析
金澤 昭雄
1
,
前田 士郎
2
1前・理化学研究所遺伝子多型研究センター糖尿病性腎症関連遺伝子研究チーム
2理化学研究所遺伝子多型研究センター糖尿病性腎症関連遺伝子研究チーム
pp.91-93
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100462
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はじめに
一塩基多型(single nucleotide polymorphism,以下,SNP)は個人間における1塩基の違いであり,全人口中1%以上の頻度で存在するものと定義されている1).従来,疾患関連遺伝子研究のためのマーカーとしてはVNTR(variable number of tandem repeat.繰り返し単位が数塩基から数十塩基でその繰り返し数が個人で異なる)や,マイクロサテライト(繰り返し単位が2~4塩基)が使用されてきたが,これらのマーカーは数十~数百kbに一つしか存在しない.一方,SNPはヒトゲノム上に300~1,000bpに1か所の割合で存在し,従来のマーカーと比較してかなり高密度に存在することから疾患関連遺伝子探索のマーカーとしてより有用と考えられる.理化学研究所遺伝子多型研究センターでは,独自に開発した高速大量SNPタイピングシステムを用いてSNPをマーカーとしたゲノムワイドなケースコントロール相関解析を複数の疾患について行っている.そこで本稿では現在,理化学研究所遺伝子多型研究センターを中心に進行中のSNPタイピングプロジェクトについて概説するとともに,われわれの行っている2型糖尿病に関するゲノムワイドケースコントロール相関解析の現状を簡単に紹介する.
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