シリーズ最新医学講座・Ⅰ 法医学の遺伝子検査・5
法医学の領域におけるSingle nucleotide polymorphism(SNP)解析
那谷 雅之
1
Masayuki NATA
1
1三重大学大学院医学系研究科環境社会医学講座法医法科学分野
キーワード:
Single nucleotide polymorphisms(SNP)
,
血液型遺伝子
,
常染色体
,
Y染色体
,
ミトコンドリア
Keyword:
Single nucleotide polymorphisms(SNP)
,
血液型遺伝子
,
常染色体
,
Y染色体
,
ミトコンドリア
pp.579-585
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100099
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はじめに
Single nucleotide polymorphisms(SNP)は文字通りDNA上の一塩基の置換変異であり,ゲノム上に最も多く存在する多型であり,ヒトの疾患を含むあらゆる表現形質をマップするための多型検出マーカーとして注目されている.このSNPを検出するための高い能力をもった技術が開発されてきている.
法医学の領域では種々のDNA多型解析が行われてきている.個人識別・親子鑑定に多用されてきたD1S80は16塩基を1単位とした反復配列であり,現在の主流であるshort tandem repeat, STRもrepeatの名が示す通り反復配列である.その一方で,ABO式血液型を始めとする各種血液型についてのDNA解析やミトコンドリアDNAについての解析が行われ,実務にも用いられてきている.これら各種血液型およびミトコンドリアDNAの多型の多くは塩基置換によるものであり,SNPとして捉えることができる.
本稿では法医学の領域で行われてきたSNP検出法について概略を述べる.
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