検査じょうほう室 生理 心電図の読みかた・5
不整脈の読みかた その1―不整脈の種類,検査,診断,治療
南家 俊彦
1
,
三宅 良彦
1
1聖マリアンナ医科大学循環内科
pp.468-472
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100428
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
不整脈は,心臓拍動のリズムが乱れた(脈が不整な)ものと考えやすいが,リズムの乱れがない不整脈も存在する.そこで不整脈を正確に表現すると,①心臓に興奮発生の異常または②刺激伝導系の異常があるものとすることができる.興奮の異常が発生すれば,脈のリズムが乱れるタイプの不整脈(心房・心室期外収縮,発作性上室頻拍,心室頻拍,心房細動・粗動,心室細動など)が出現する.また,興奮発生は規則的でも刺激伝導の通過異常が生じると,リズムは正常であるタイプの不整脈〔脚ブロック,房室ブロック,WPW症候群(Wolff-Parkinson-White syndrome,ウォルフ-パーキンソン-ホワイト症候群)など〕が出現する.
不整脈の症状
不整脈の症状に関しては,なんら症状を有さないもの(無症候性)から,脈が飛ぶ(結滞),動悸,胸部不快感などの軽いもの,さらにはめまい感,失神など重篤な症状を呈するものもある.しかし,症状だけではその原因となる不整脈について診断することはできない.症候性の場合は,症状が続いている間に心電図を記録して不整脈を検討することが必要である.不整脈は心電図以外に診断する方法はなく,心電図が唯一の確定診断法である.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.