増刊号 一線診療のための臨床検査
第I章 総論―臨床編
7. 血液疾患の検査
2)白血病
桑島 実
1
1香川県立中央病院中央検査部
pp.1081-1085
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100237
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はじめに
白血病は骨髄の中で造血系細胞が腫瘍性に増殖する疾患であり,急性白血病と慢性白血病がある.急性白血病は未熟な段階の細胞(芽球,白血病細胞)が増加し,慢性白血病は造血幹細胞が成熟分化傾向を保ったまま正常と類似した細胞群が増加する.臨床症状も急性と慢性では異なり,急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia,AML)では,貧血,正常白血球減少に伴う各種感染症や発熱,血小板減少による出血傾向が主症状である.また,歯肉腫脹,肝脾腫,骨関節痛,稀に全身の腫瘤形成などもみられる.急性リンパ芽球性白血病では上記の症状に加え,リンパ節腫脹や脳・脊髄への白血病細胞浸潤による中枢神経症状を伴うことがある1).慢性白血病では肝脾腫やリンパ性の場合にリンパ節腫脹を伴うものの,進行したり,急性転化をきたさない限り,一般に自覚症状は乏しく,偶然,健康診断などで白血球増加を指摘され発見されることが多い.
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