増刊号 一線診療のための臨床検査
第I章 総論―臨床編
7. 血液疾患の検査
1)貧血
北村 聖
1
1東京大学医学教育国際協力研究センター
pp.1076-1080
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100236
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貧血は診断名ではなく,病態を示す名称にすぎない.したがって真の診断に至るにはより詳しい検査が必要である.まず,貧血の病態や臨床症状の理解には,(1)酸素運搬は赤血球が担っていること,(2)赤血球量の恒常性は赤血球の産生・供給と崩壊との動的平衡のうえに成り立っていること,この2点が理解されればよい.しかし,実際の貧血の鑑別は必ずしも容易ではなく,ここでは一般臨床医が貧血を診断するうえでの検査のポイントを概説する.貧血の診療は外来治療が一般的であるので,特に専門医にコンサルテーションするポイントも明らかにする.
検査前の情報収集
医療面接,身体診察などにより検査前確率を高めておくことが検査項目の選択に重要である.
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