今月の主題 ホルマリン固定パラフィン包埋標本からどこまで遺伝子検索は可能か?
総説
ホルマリン固定パラフィン包埋標本から現在DNAはどこまで抽出可能で検索可能か?
古川 徹
1
Toru FURUKAWA
1
1東京女子医科大学国際統合医科学
キーワード:
loss of heterozygosity
,
methylation
,
whole genome amplification
Keyword:
loss of heterozygosity
,
methylation
,
whole genome amplification
pp.721-730
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100660
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ホルマリン固定パラフィン包埋組織標本は最も一般的に入手可能な組織材料であり,それを用いて遺伝子解析をすることはretrospectiveな診断・研究において非常に重要であることは論をまたない.本稿ではホルマリン固定パラフィン包埋組織標本からのDNA抽出法とそれを用いた研究法として基本的な塩基配列解析法から,ヘテロ接合性検索法としてのマイクロサテライト解析,クローナリティや特定遺伝子のメチル化を検出するメチル化解析法,そして,全ゲノム増幅法とそれを応用したゲノムタイピングについて概説した.ホルマリン固定パラフィン包埋標本を材料にしては高分子DNAを対象にした検索は困難であるが,それを補う技術が次々と開発されており,ゲノムタイピングまで可能な現在,その限界は見えていないといえる.〔臨床検査 50:721-730,2006〕
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