Laboratory Practice 生理 超音波像の読みかた
甲状腺―悪性疾患
田中 久美
1
,
福成 信博
2
,
清水 一雄
1
1日本医科大学付属病院外科学第二・内分泌外科
2伊藤病院外科・画像診断部
pp.646-651
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100059
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はじめに
甲状腺疾患における画像診断には,頸部軟X線をはじめ,超音波・CT・MRI・核医学検査に至るさまざまなmodality(手法・手段)が臨床応用されている.そのなかでも一般臨床およびスクリーニングとして幅広く用いられているのが,超音波検査である.特に,最近の超音波機器の進歩は目覚ましく,画像分解能の高さからみてもCTやMRIを大きく引き離している.最新機器のBモード画像では,2~3mmの微小病変を十分に捉えることが可能であり,病理のマクロ写真と比較しても実物に限りなく迫ったものとなってきた.また,基礎となるBモード画像だけではなく,リアルタイムに血流情報を捉えることができるカラードプラー(color-Doppler)法は,既に臨床において幅広く応用されており,新たな診断的価値を見いだしている.さらにハードウェアの改善に伴い3-Dイメージングや組織弾性を評価できるelastographyなどの新しい技術が次々に実現化され,新しい臨床情報を与えるものとして期待されている.
ここでは,甲状腺悪性病変における特徴的な超音波所見を解説するとともに,各疾患における臨床病理学的特徴を踏まえて,他のmodalityを含めた画像診断について述べる.
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