技術講座 一般
体腔液の細胞検査―細胞数と分類
村山 正文
1
1独立行政法人国立病院機構西札幌病院統括診療部研究検査科
pp.501-506
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100028
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新しい知見
一般検査室での尿検査が,もはや細胞種類の判定にとどまらず異型細胞の検出そして悪性腫瘍の早期発見に供与し,スクリーニングとしては尿細胞診よりも臨床的意義が高いといっても過言ではないだろう.尿細胞診では湿固定であるがゆえに細胞の剥離が起こり,ギムザ染色(Giemsa stain)を併用してもその判定に苦慮する細胞検査士も少なくない.体腔液細胞診においては,蛋白量が多いため尿ほど細胞の剥離は多くないものの,やはりギムザ染色と比べると明らかな差を認める.
蛋白量の多い体腔液でも容易に染まる超生体染色法が開発されれば……と常日頃から感じているが,現段階では乾燥固定を行い染色をするのが最良と思われる.ほんの15~20分の染色で非常に多くの情報が得られ,尿検査同様に今以上に意義のある検査となり,また細胞診検査のダブルチェックにつながるのではとも考える.
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