カラーグラフ
癌細胞における性染色質の態度—カラーグラフ参照
大橋 浩文
1,2
,
高橋 正宜
3,4
1中央鉄道病院産婦人科
2順天堂大臨床病理
3中央鉄道病院中検
4杏林大病院病理部
pp.736-737
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917731
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はじめに
性染色質(sex chromatin)は,1949年Barr & Ber-tramが,雌猫の神経細胞に発見したのに始まり,1955年Moore & Barrが,sex決定にbuccal smeartechniqueを用い,性染色質はセックスクロマチンテストとして,核の性決定に重要な役割を演ずるようになった.
性染色質は,女性の間期体細胞において遺伝的に不活性化したX染色体の一つが凝縮して認められるものと考えられる.すなわち正常女性(XX)では,1個であるが,性染色体異常において,時に2個(XXX),あるいは3個(XXXX)出現することもある.大きさは0.7×1.2μm程度の,平凸形(一面凸で一面平ら)で核膜の内側に密接し,塩基性色素で明瞭に染め出され,Feulgen反応陽性で,主としてDNAよりでぎている.
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