特集 癌の臨床検査
I 癌そのものをとらえる検査
3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査
B.各論 21)NSE
有吉 寛
1
,
桑原 正喜
2
Yutaka ARIYOSHI
1
,
Masayoshi KUWABARA
2
1愛知県がんセンター血液化学療法部
2愛知県がんセンター臨床検査部
pp.1404-1407
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917627
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はじめに
臨床上有用性の高いマーカーの条件と考えられる因子には,腫瘍特異性,腫瘍感受性,臨床経過の正確な反映,あるいは簡便で信頼性の高い測定系の存在などが挙げられるであろう.近年,神経内分泌腫瘍や肺小細胞癌の腫瘍マーカーとして注目を集めている神経特異エノラーゼ(neuron-specific enolase;NSE)は,こうした要件をある水準以上で満足する腫瘍マーカーである.本稿ではNSEの性状と腫瘍マーカーとしての臨床的意義について詳述したい.
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