資料
比色法によるEIA・NSEキットの検討
丹下 真由美
1
,
加藤 兼房
2
,
桑原 正喜
1
,
須知 泰山
1
,
有吉 寛
1
1愛知県がんセンター病院臨床検査部
2愛知県心身障害者コロニー研究所生化学部
pp.717-720
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912601
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はじめに
エノラーゼ(enolase,Ec 4.2.1.11)は二つのサブユニットから成る解糖系の二量体酵素で,サブユニットとしてはα,β,γが知られている1,2).この中でγ-サブユニットを持つアイソザイム,すなわちγγ型およびαγ型エノラーゼは神経組織特異エノラーゼ(neuron-specific enolase;NSE)と呼ばれ,神経細胞,軸索突起にのみ存在するとされていたが3,4),神経内分泌細胞にも認められることが報告された.
さらに近年,NSEが神経内分泌腫瘍や肺小細胞癌などにも存在することが示され5),それらの疾患患者血清中にも多量に存在し,特異性の高い腫瘍マーカーとして臨床でも非常に有用であることが報告されている6〜9).
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