シリーズ・癌細胞診・3
子宮頸部癌・2
長谷川 寿彦
1
Toshihiko HASEGAWA
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.315-318
発行日 1985年3月15日
Published Date 1985/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917467
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<前号より続く>
(2)非角化大細胞型
子宮頸部扁平上皮癌でもっとも頻度が高い.組織学的には,癌巣を形成する細胞は大型で,多くの場合核小体が目だち,クロマチンは粗ないし細顆粒状を呈する.細胞像の特徴は核小体の目だつ大型核で,細胞質は豊富な例が多いが,細胞質縁は不鮮明である.集団で出現すると合胞状配列を示し,詳細に観察すると不規則な重積性を認める.単独で出現する細胞で,時に偏在核を認め,細胞像として腺癌に類似し,腺癌扁平上皮癌の移行型とか中間型と言われている.この型では組織化学的に粘液染色陽性例も多く,腺細胞の性格もあり,細胞像でも同じように特徴を示している.外表面は外界からの刺激により,反応性に角化を認めるが,小型細胞が多く,悪性細胞中で占める割合も低い.
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