研究
血液放置による血糖値の経時変化—有機分析第67報
百瀬 勉
1
,
大倉 洋甫
1
,
松浪 紀美子
1
,
荒川 泰昭
1
1福岡市堅粕九州大学薬学部
pp.761-763
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917187
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採血後血糖値は時間の経過によって変化し,測定値に大きい影響を与えるので,試料を診療所などから集めて定量を行なっている中央的な臨床検査室などで問題となっている。この経時変化の研究は断片的に行なわれており1),最近ではブドウ糖酸化酵素法によって研究した例がある2)。先に著者らは血液をタングステン酸ナトリウムと硫酸アルミニウムカリウムで除蛋白し,3,6—ジニトロフタル酸で発色を行なう血糖の定量法3〜8)を発表したが,この方法が各地の臨床検査室で採用されていることから,今回この方法によって血液を放置したさいの血糖値の経時変化を追跡し,臨床検査で実際に役立つ資料を得ることを目的として研究した。
また血液を著者等の方法の希釈倍率(30倍)に水で希釈したときの血糖値の経時変化,および血液を著者らの除蛋白剤で処理して放置したときの血糖値の経時変化も検討したので,ここに併せ報告する。
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