新しい検査法
3,6—ジニトロフタル酸による血糖の微量定量(有機分析第31報)
百瀬 勉
1
,
向井 良子
1
,
河辺 節子
1
,
鈴木 順子
1
1九州大学医学部薬学科薬品分析化学教室
pp.173-175
発行日 1961年3月15日
Published Date 1961/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905809
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近時血液を試料とする臨床検査の項目が増加するにつれて,微量の血液または血清を用いて血糖を定量しようとする試みが多く見られる。斉藤氏1)は最近この方面の文献を多く紹介され,また氏自身も一つの方法を提案されたが,このほかにもベルリン青による比色法2),5—オキシテトラロンによる螢光光度法3)などがある。
前報4)で私どもは0.1mlの血液または血清を試料とし3,6—ジニトロフタル酸法で血糖を定量すると,きわめて簡単な操作によりHagedorn-Jensen氏法とほとんど同じ精度で定量できることを報告し,またこの方法は試料を0.05mlとしても行い得ることをつけ加えた。今回さらに試料を少くし,0.02mlを用いる定量法につき検討したところ,特別の器具を用いることなく普通の比色管により分光光度計で吸収度を測定することによつて,日常の臨床検査に応用することのできる方法を確立したのでここに報告する。
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