研究
尿酸測定法の検討—その1—リンタングステン酸還元法について
屋形 稔
1
,
士田 雅子
1
,
富山 八重子
1
,
吉沢 洋子
1
1新潟大学医学部附属病院中央臨床検査部
pp.764-766
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917188
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血清および尿中の尿酸定量に今日多く利用されている方法は,大別すると,(1)尿酸の還元力を利用して,リンタングステン酸をタングステンブルーに還元し,その呈色を測定するリンタングステン酸還元法1)〜5)(以下リ法)(2)尿酸が紫外部に吸収をもつ特性を利用し,尿酸を特異的に分解する酵素ウリカーゼを働かせて,紫外部吸収の減少から定量するウリカーゼ法2)6)7),および(3)両法の組合せ,すなわちウリカーゼ作用前後のタングステンブルーの呈色の差から求める方法8)9)に分けられる。これらの中でも,それぞれの長所に基づいて,日常検査には前2者が繁用されている現状である。
われわれは今回リ法(ヤトロンキット)と,国産ウリカーゼ(小野薬品)によるウリカーゼ法を実施することにより,両法を比較する機会を得,尿酸測定法について文献的考察を含め,これら測定法の問題点を中心に検討を進めたので,その成績について報告し,御参考に供したい。
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