研究
喀痰検査におけるβ-Streptococcusの選択培地について
小林 良彦
1
,
伊藤 賢次郎
1
,
宮嶋 京子
1
1ガンセンター新潟病院
pp.469-474
発行日 1966年5月15日
Published Date 1966/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
われわれは汚染材料,特に喀痰よりのβ-Streptoco-CCUSの分離培養の困難な場合を往々にして経験する。すなわちβ-Streptococcusの集落がわずかに2〜3個にてその意義を疑問に感ずる場合もあるし,また国内常在菌が非常に多く,その集落の密集している中に溶血環を認めても集落を判別しがたく,したがって分離が全く不可能な場合も多い。もし国内常在菌と称せられているNeisseria,α-StreptococcusまたはStaphylococcusやグラム陰性桿菌の発育を抑制し得るならばβ-Streptococcusの分離は容易となるであろう。すでにLowbury氏らはPolymixin B,NeomycinおよびFusidie acidを血液寒天培地に加えることより溶連菌の分離が容易となることを報告した。私どももColistinを血液寒天培地に加えることによりβ-Streptococcusの分離が容易となるのみならず溶血環もきわめて明瞭に観察し得,その分離成績を向上せしめ得た。ここにその成績を報告する。ちなみに寒天に加えた血液はすべて人の保存血を使用した。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.