外国雑誌より
蜂密の味一血中ぶどう糖定量法のFolin-Wu法の批判,他
中 甫
1
,
吉野 二男
2
1東京衛生病院臨床検査科
2神奈川県立成人病センター
pp.466-467
発行日 1966年5月15日
Published Date 1966/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917037
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- 文献概要
血中ぶどう糖定量法のある方法は他の非ぶどう糖還元物質も同時に測定していることが広く知られている。この文献で著者はFolin-Wu法が正確な測定法ではないということと,真糖値を表わさない測定法は不十分であることの証拠を示すことを目的としている。Folin-Wu法による値は真糖値の3〜5mg%以内の値を示す方法,すなわちSomogyi-Nelson法と比較きれた。Folin-Wu法の理論上の欠陥は,1.除蛋白(タンゲステン酸)
この方法は血漿から蛋白を完全に取り除くことができず,全血の酸性濾液中に多量の糖様物質(非ぶどう糖還元物質)を残してしまう。この糖様物質にはシスティン,ゲルタチオン,クレアチニン,グルクロン酸エルゴチオニンのような物質が含まれている。これらの糖様物質は大半が赤血球中にある。血漿と赤血球の比は10:47であるから,もし赤血球が分解しないような等張液中で沈殿させればこの蛋白沈殿の段階は改善できるであろう。
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