研究
カンジダ症検査培地としての水野・高田培地
阿多 実茂
1
,
中野 安二
1
,
伊藤 庄三
1
1名古屋大学医学部細菌学教室
pp.393-396
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905846
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はじめに
従来Candida其他真菌の培養にはSabouraud寒天が使われ,臨床材料よりの真菌類の検出分離培養には,これにペニシリン(100μ/ml),ストレプトマイシン(100r/ml,),(以下PC,SM)を加えた培地が広く一般に使用されている。然し調整後の保存に堪えない為に,その都度調製しなければならず,臨床検査に際しては稍々不便である。又Candida其他真菌は細菌に比し,一般に発育が遅い為,PC.SM加Sabouraud寒天を使つた場合でも先に細菌の発育をみ,検出分離に支障を来し,不成功に終ることも少くない。更に又細菌集落と真菌集落との肉眼的鑑別は困難な場合が稀ではない。
これらの不便を除き細菌の発育を抑制し,且コロニーに特別の色を呈せしめ,Candida検出を容易ならしめるよう考案されたものも,これ迄2,3現われている。
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