技術解説
血中リン酸の定量法
杉田 良樹
1
SUGITA YOSHIKI
1
1東大医学部栄養学教室
pp.286-289
発行日 1964年4月15日
Published Date 1964/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916751
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Ⅰ.リン酸化合物とその役割
リン酸は体中にすべての細胞を含め広く存在する。人体中の全量の約80%はリン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)として骨および歯に含まれて支持組織の強化をなし,このリン酸は血液中のリン酸と常に交代し平衡状態にある。細胞の構成分としては核酸,リン脂質などの多くのリン酸化合物がそれぞれ重要な機能にあずかり,また体の細胞の活性にはアデノシン三リン酸のリン酸結合に貯えられたエネルギーが利用され,細胞内のエネルギー転移には高エルギーのリン酸結合を持つ化合物が重要な役割をはたしている。
血液中のリン酸化合物は次の二つの形に大別しうる。
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