新しい検査法
グルコスポット(Glucospot)の紹介とその使用経験
種瀬 富男
1
,
溝部 碩子
1
,
阿部 正和
1
TANESE TOMIO
1
,
MIZOBE HIROKO
1
,
ABE MASAKAZU
1
1東京慈恵会医科大学杉本生理学教室
pp.823-827
発行日 1963年11月15日
Published Date 1963/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917000
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グルコスポット(Glucospot)というのは,ブドウ糖酸化酵素法を応用した半定量的の血糖測定法で,わずか1〜2滴の血液量で,2分以内に測定できるというものである。
臨床検査,とくにその化学的検査は,質的にも量的にも急速に発展しつつある。血糖の測定法も,Hagedorn-Jensen法,Somogyi-Nelson法などの還元力を応用した方法から,ブドウ糖酸化酵素法を用いた真糖の測定へと質的に大きく変わりつつある。しかし,一般実地医家にとって,血糖の測定はかなり厄介なものであり,ふだん化学的検査になれていないと手軽に実施し得ないばかりか,測定すること自体おっくうになるのが現状のようである。大病院でも,ベッドサイドで刻々に変化する血糖値を,瞬時に追跡することができれば,どんなに便利であらうかと思うこともしばしばある。そこで,簡易・迅速・微量を特徴とする血糖のインスタント定量法が近年急速に普及するようになったわけである。この線に沿った血糖の新しい測定方法には,デキストロテスト法,あるいはシノテスト100号法などがあげられるが,私たちはアメリカのWorthington Biochemical Corporationの「Glucospot」という,きわめて簡便な血糖測定装置を入手する機会があったので,ここに紹介し,私たちの検討した結果について述べたいと思う。
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