クローズアップ
竹森紘一—九州大学医学部附属病院中央検査部細菌検査室
柿原 史恵
1
1九大病院中検血清検査室
pp.8-9
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200208
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自覚を新たにして
"臨床検査の重要性はますます大きくなり,その発展はめざましく日進月歩である"これは日常よく耳にすることばであるし,多少言いふるされた感がないでもない.しかし,現実にはこのことばを少しでも軽んじることはできないし,全くこのとおりである.にもかかわらずいささかの疑問をいだかざるを得ないのは私の思いすごしなのであろうか.というのは,"臨床検査の評価"に比較して"臨床検査技師の重要性と発展"がほんとうに考えられているのであろうかということである.
もちろんこの間題に対してまず第1に医療の場におけるわれわれ検査技師の自覚があげられるのである.しかし,これは検査技師の社会的身分にも大きく関係しているのではないかと考える.検査技師に対するアンケート調査の結果から石戸谷氏と冨田氏が述べておられるように,技師が"現状では自己の職業はあまり世間に評価されておらず,昇進の見込みがたたず,自己の職業を他人に勧めるほどのものが存在せず,特に男性の職業としての価値が少ない"と考えているような処遇のあり方が問題である.
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