技術解説
彈性線維染色液作製法
畠山 茂
1
1東京医歯大病理学教室
pp.17-19
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916986
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弾性線維染色液としては,Weigert氏Resorcin Fuchsin液,Orcein液,GomoriのAldehyd-Fuchsin液,Verhoeff氏のヨード塩化第二鉄ヘマトキシリン液等が代表的なものとして挙げられる。以上の中,在来Weigert氏Resorcin-Fuchsin液が,その染色結果の繊細美麗さによつて最も屡々使用されて来たのであるが,ややもすればその染色液作製成績は,相当の熟練者がやつても一定せず,良好な弾性線維染色液を恒常的且的確に得ることは相当の難事と考えられていたものである1)。一方Orcein液を始めとする他染色法を省みるに,いずれも染色液作製は極めて容易であるが,弾性線維をその微細部分まで他組織とのコントラストの上で明確に染別する点では,Weigert氏法に劣るようである。
教室の青木氏によつて改良されたWeigert氏変法は2)3),我々が常時使用して見て,きわめて安定した作製成績と共に,原法の優秀性を余すところなく保持していると考えられるので,ここでは主としてこの方法について精しく述べて見ることとしたい。
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