今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・20
リンパ増殖性病患・悪性リンパ腫
前田 隆浩
1
,
栗山 一孝
1
,
朝長 万左男
2
Takahiro MAEDA
1
,
Kazutaka KURIYAMA
1
,
Masao TOMONAGA
2
1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野
2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設
pp.836-837
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916913
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悪性リンパ腫はHodgkin病と非Hodgkinリンパ腫とに大別され,さらに前者はRye分類,後者はREAL分類によって細分類されている.しかし,リンパ腫細胞の発生起源に基づいたREAL分類は臨床応用しにくい点が指摘されており,臨床的には従来のWorking Formulation分類が重宝されている.化学療法の進歩によってHodgkin病のtype間の予後の差はなくなってきたが,非Hodgkinリンパ腫はWorking Formulation分類,病期,internationalprognostic indexなどによって標準的治療法が異なり,層別化治療の概念が一般に浸透してきている.
1例目は頸部リンパ節腫脹を主訴に来院した19歳の男性である.生検したリンパ節のスタンプ標本で,図1に示すように小型リンパ球の中に大きく明瞭な核小体を有する著しく大型の多核あるいは単核の細胞を散見した.病理標本では,図2のような多核あるいは単核で大きく明瞭な核小体を有する大型のHodgkin細胞,Reed-Sternberg細胞を認め,また,明らかな結合織性の隔壁も見られたためHodgkin病nodularsclerosisと診断された.
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