講座 やさしい電気の知識 4
電動機の原理
宇都宮 敏男
1
1東京大学工学部電気工学科
pp.991-993
発行日 1964年12月15日
Published Date 1964/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916845
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1.はじめに
電力を機械的な動力に変換する装置として電動機(モーター)はきわめて多方面で重要な役割を演じている。われわれの家庭では,電動機を用いた機器として,電気洗濯機,電気掃除機,電気冷蔵庫,電気扇,空気調和装置,電気かみそり,ミキサー,電気時計……と数えだしたらきりがない。これらが文化的生活の支えになっているのはいうまでもない。さらにこのような文化生活のもとになっている各種工業製品の生産過程で,また人や物資の輸送などに使われる電動機の種類や数は莫大なものである。
機械的動力を発生する装置には,もちろん電動機以外にも内燃機関や蒸気タービンなどの熱機関の占める位置も重要である。しかし電動機には動力を迅速に制御できること,廃棄物を生じることなく運転できること,エネルギー変換の効率の高いことというすぐれた特長がある。大きな欠点としては電力を供給するための電線が必要なので随意に移動するものにはむかない。
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