研究
オートアナライザーによる臨床化学分析法の検討と考案—(2) Reitman-Frankel法の応用によるトランスアミナーゼ測定法
金井 正光
1
,
野本 昭三
1
,
田中 幸江
1
KANAI MASAMITSU
1
1信州大学附属病院中央検査部
pp.737-742
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916814
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血清トランスアミナーゼ活性の測定はその臨床的意義の重要性から,臨床化学検査項目の中で最近最も増加の著しいものの1つであり,測定法の簡易化,能率化が重要な問題となっている。Reitman-Frankel法1)は操作が簡単で,GOT,GPTを同一手技で測定でき,Karmen単位換算値が得られ,広く採用されている2)。しかし本法は基質濃度,発色条件により微妙に影響されるため,試薬濃度,実施操作に厳格な規制が必要であり2,3),また原血清での測定幅が狭く,高単位血清では希釈により活性値の変動がみられる4)など2,3の欠点をもっている。
筆者らはAuto Analyzer(Technicon Instruments Corp. Chauncey,N. Y.)の優iれた時間的,機械的条件の恒常性を利用し,原法の特長を生かすとともに,精度,正確度がよく,約2倍の測定幅をもつGOT,GPTの自動連続比色法を考案し発表した5)が,本稿ではその後の若干の改良を含め,希釈誤差,分光光度法との比較などについて検討した結果を報告する。
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