グラフ
肉眼標本の見方<4>—腫瘍(II)
金子 仁
1,2
1国立東京第一病院病理
2日本医科大学病理
pp.464-465
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916662
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腫瘍を一言にして定義すれば,細胞の自律的増殖である.すなわち自分勝手に,相手の存在を無視して増殖をつづける病変である.腫瘍には,悪性腫瘍と良性腫瘍がある.悪性腫瘍は成長が速く,転移(原発した部より他の臓器,組織に"とび火"をすること)があり,組織を破壊し,ついにはその個体を死にいたらしめる.良性腫瘍は成長も遅く,組織を破壊すること少なく,個体を殺すこともない.腫瘍を発生組織から分けると上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍とに区別される.上皮性悪性腫瘍を癌腫,非上皮性悪性腫瘍を肉腫という.今回は癌腫のうち最も多い,胃癌,子宮癌,肺癌,乳癌と他に食道癌,皮膚癌をのせる.
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