技術解説
Heller反応
鈴田 達男
1
1東京医科大学細菌血清学
pp.513-519
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916597
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はじめに
慢性関節リウマチ(リウマチ様関節炎,以下RAと略す)の患者血清中にはリウマチ因子(Rheumatoid factor)とよばれる特別の物質が存在し,自己および同種,異種のγグロブリンと特異的な親和性をもっているので,自己抗体の一つであろうと想像されている。
この検出にもちいられる血清学的検査法を大別すると,1)感作血球凝集反応(immune sensitizedsystem)と,2)血清学的に不活性な粒子(ラテックス,またはベントナイト)にヒトγグロブリンを吸着させた受身感作粒子凝集反応(non-immunesensitized system)とに分けられる。両反応は一見するとまったく別物のように感じられるが,本質的な原理は同一であって,中心をなしている血球,またはラテツクス,ベントナイトは反応をみやすくして感度を高めるための役割をはたしているにすぎずindicatorとよばれ,実際に反応にあずかるのは血球に結合したγグロブリンであって反応因子(reactant)とよばれている。
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