特集 血液検査の問題点
7 網赤血球算定法
寺田 秀夫
1
1昭和大・臨床病理学
pp.890-895
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916542
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網赤血球とは
網赤血球は成熟赤血球のすぐ前の段階にある幼若赤血球で,骨髄内のものは35-45時間,末梢血では17-29時間後に成熟赤血球になるといわれる。
赤芽球の発育分化の過程は図1のごとく,幹細胞から前赤芽球,好塩基性赤芽球,多染性赤芽球,正染性赤芽球と分化し,次いで脱核して網赤血球,成熟赤芽球となるか,成熟が進むにつれて細胞質内のRibonucleic acid(RNA)はほぼ直線的に減少し網赤血球の末期に消失する。これと対称的に好塩基性赤芽球の段階から,しだいに好酸性に染まる赤血球特有の蛋白質であるヘモグロンビン(Hb)の合成が始まり,しだいに赤く染まりはじめ成熟赤血球の段階でHb合成は最高に達するわけである。
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