院内管理のレベル・アップ 検査
検査部門の管理・3
検査器具,試薬などの需給管理
星野 辰雄
1
1国立病院医療センター
pp.58-59
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205930
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検査部門の業務内容は,最近とみに特殊性を帯び,それが特殊であればあるほど使用する器械・器具も特殊であり,それに必要な薬品,器材などはこれまた特殊なものが多い.したがって複雑多岐にいくつかの領域を異にする現状では,一部の管理者が目を皿のごとくして管理しようとも,それは所詮不可能である.
管理とは,一般的には管理者が行う業務と認識されがちであるが,検査部門の特殊性を考えるとき,管理とはそういうものでなく,まず検査環境(建物設備,危険防止,検体管理,精度管理,機械管理,薬品管理,生菌管理,健康管理など)を良くし,その中で正しい検査を,事故なく迅速かつスムーズに運ぶことのできる条件を,各自がいかにつくるかということである.それは検査部門の職員一人一人が即管理者的自覚をもつことであり,日頃より検査部門に働く職員が相互に工夫し,より良い職場環境作りに,みんなが努力することが一番である.その流れの潤滑油的役割が主任者であり,技師長である.そのためには各施設ごとに簡単な作業指針的なマニアルが必要なのであるが,病院の規模,地域性によって,その内容は一様ではなく,平列的に述べることはできないが,今回はその中でも特に消耗品的器材と試薬類の発注より廃棄に至る一連のものを中心に,職員の心がけなどを含め,述べてみたい.
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