私のくふう
古いポットを利用した簡便な沸騰水浴
片平 宏
1
1神奈川県立成人病センター検査科
pp.397
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916402
- 有料閲覧
- 文献概要
臨床検査の測定操作の中で目下のところ避けられない基本的なものに,遠心分離,加温,加熱そして比色などの一連のクラシックなステップが残されており,それぞれ相応の器械器具を必要とし,検査種目と件数の著しい増加と,限られた入員の中で,検査精度の維持と,そして能率の向上を強要されている人半の検査室においては,必要から生まれたいろいろなくふうが技術の改善と相まって非常に盛んである。
その中で100℃水浴で反応を進行きせる操作もまだまだその数が多い。しかも割合と緊急なものなどに多い。たとえば血糖,尿糖などがそうである,しかしながら沸騰水浴を1日中絶やさずに置くことは経済的にも,また一定量の水の補給にも,そして電気やガスの管理,ひいては器具のいたみなどから老えてなかなかむずかしい。実際のところ午後も半ばを過ぎるとたいてい消してしまう。ところがそのとたんにエマージェンシーの検査依頼が飛込んできたりする。そういう時の100℃に上昇するまでの時間の長いこと,はなはだ非能率的であるし,またわれわれもじれったいもので,誰でも一度は経験していることと思う。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.