技術解説
管理血清・標準血清<1>—正しい使い方と問題点
斉藤 正行
1
,
小泉 恵美子
1
1東大分院臨床化学
pp.17-24
発行日 1968年1月15日
Published Date 1968/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916316
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管理血清の必要性
医療の向上,合理化をめざして各病院,医師会に臨床検査室が設立されたのはそんなに昔のことではない。それなのに現在これらの検査室は医療上絶体欠くことのできないものとして日々の診療に大きく貢献している。
しかし実際に検査室を運営したりまた利用してみると実に多くの問題に遭遇する。根本問題として第一に検査室の報告が信用できるかということである。もちろんこれが満されない限り検査室の存在は無意味であるが,何分にもおびただしい被検物を少数の人員で合理的にかつ迅速にしなければならない関係,いかに熟練した技術員が実施しても誤りの介入チャンスは少くない。この場合病理や血液塗抹標本なら臨床症状との不一致からまた見直すことも可能であろうが,化学検査においては証拠が残らず,再び採血したからといって前回の患者状態と同じとはいえないところに問題がある。
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