入門講座 生化学
加温のしかた
松村 義寛
1
1東京女子医大生化学
pp.814
発行日 1967年11月15日
Published Date 1967/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916250
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化学反応の速度は温度により著しく変わる性質がある。化学検査で温度をやかましくいうのはこのためである。多数の試料を扱う臨床化学検査室では加温の条件がどの試料についても同一の状態になる必要があるが,この目的を達するために種々の装置や道具が用いられている。
臨床化学で多く用いられる加温の条件は酵素試験の時には37°〜45°で30分〜60分,発色試験のときには95°〜100°で10分〜2扮というのが多い。30分以下の場合はとくに必要なことはただちに所望の温度になることであって,試料を入れたために加熱器の温度が下がるようではいけない。そのために熱容量の大きな装置が用いられる。
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