新しい機器の紹介
自動浸透圧測定装置(AUTO & STAT OM-6010)の開発と評価
粉川 みずほ
1
,
葛野 公明
1
,
入江 章子
1
,
久城 英人
1
,
児玉 順三
1
,
内垣 降年
2
,
吉岡 至浩
2
1国立循環器病センター臨床検査部
2(株)京都第一科学
pp.1692-1696
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915684
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はじめに
生体のほぼ60%は水で占められ,生体機能のほとんどがこの体液中で営まれている.体液中に溶解して存在する種々の物質に起こる生化学的代謝反応が,生体の機能に重要な意義を持つことは言うまでもない.一方,体液の総合的な物理化学的性質も種々の体液成分と同様,重要な情報を与える.浸透圧の測定はこのような体液の物理化学的性質を知るうえで,最も手近な方法の一つである.例えば当センターでは尿と血清の浸透圧を測定して自由水クリアランスを求め,腎機能の管理に万全を期している1).したがって,浸透圧の測定件数は月間1,500件にも及んでいる.
現在,氷点降下法,蒸気圧法を測定原理とする浸透圧測定装置2,3)が数社から市販されているが,いずれも検体ごとに試料を入れ換えなければならない.今同,多数検体の処理を容易にするためにオートサンプラーを組み込み,完全自動化した浸透圧測定装置(AUTO&ST-AT OM-6010,京都第一科学)4)の開発を試みた.本装置の機能,性能について検討し,良好な成績を得たので報告する.
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