今月の主題 輸液と臨床検査
技術解説
体液浸透圧の測定法
北岡 建樹
1
,
中山 文義
1
,
越川 昭三
1
Tateki KITAOKA
1
,
Fumiyoshi NAKAYAMA
1
,
Shozo KOSHIKAWA
1
1昭和大学医学部附属藤が丘病院内科
pp.1449-1456
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912042
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体液の浸透圧,特に血漿浸透圧は生体のホメオスターシスの維持上重要であり,浸透圧調節機構により一定の範囲内(280〜290mOsm/kg H2O)に制御されている.このため日々の食事・代謝などによる浸透圧の変動が多少生じても,この防御機構により巧妙に調節されている.しかし,この防御機構のどこかに障害があれば,体液浸透圧の異常を認める.実際,日常臨床において体液浸透圧の異常を生じる疾患や病態は多い.
体液浸透圧は臨床的には血清Na濃度と相関し,簡略式として血清Na濃度,血液尿素窒素値(BUN)および血糖値(BS)より,〔Na〕×1.86+BUN/2.8+BS/18として表されている.しかし偽性低Na血症などの場合には,必ずしも血漿浸透圧と血清Na濃度が平行しているものではない.現在では浸透圧測定装置が普及しているので,実際の浸透圧を測定することが正確である.
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